
先月25日に放送されネットでも話題となった、NHKスペシャル「縮小ニッポンの衝撃」。
遅ればせながら、昨晩ようやく観ることができました。
やはり衝撃の内容でした。
Contents
国勢調査の結果
今年2月に発表された国勢調査(2015年実施)によると、調査開始以来初めて、日本の総人口が減少に転じていることが明らかになりました。
2010年の調査時と比べて、総人口はおよそ95万人の減少。
人口減の影響はすでに様々な局面で出ています。
番組では、豊島区が抱える問題、コンパクトシティを目指して「撤退戦」に取り組む夕張、行政サービスの一部を地域住民に委ねる地方の事例などが取り上げられています。
豊島区が抱える問題
ここでは、番組で取り上げられていた豊島区の事例を紹介します。
豊島区では、長らく出生数より死亡数が上回っており、そのままでは人口減に向かうところ、他都市からの転入者が区の人口増を下支えしてきたという事情がありました。
区がその転入者の実態を分析したところ、最も多かったのは給与収入が240万円以下の「20代単身者」。
この年収水準では将来結婚して子供をもつことが難しいと考えられ、区は人口減の一因となりうると考えます。
「20代単身者」の転入が多い背景には、2020年東京オリンピックを開催に向けて建設需要が高まっており、警備人員が不足しているという事情があるようです。
特に心を痛めたのは、番組で取り上げられていた警備会社の事例。
会社では、単身者向けの寮を用意していますが、部屋は6畳一間に2段ベッドを2つ置き、そこで4人が生活しています。インタビューに応じた新潟出身の青年は、この年収では結婚も考えられないと話し、将来に希望が見いだせない様子が伺えます。
僕の両親の時代にもこのような境遇はあったと思うのですが、その当時は高度成長期で将来に展望が持てる時代でした。いまは、高度成長などはもはや望めない時代。いったんこのような境遇に陥ってしまうと、なかなか抜け出せないのが実情です。
この青年は何を希望に毎日を生きているのかと考えると、暗澹たる気持ちになります。
番組を観て考えること
番組では、続いて、2007年に財政破綻した夕張市の現状、過疎化の進む地域で行政サービスを住民組織に委譲する試みなどが紹介されています。
いずれも観ていて、日本の将来について悲観的な見通ししか持てない内容です。
具体的な内容は、番組を見ていただくことにして、ここでは、小学生の子供をもつ親として考えることを記します。
子を持つ親としては考えることは、今後、高い経済成長は見込めず、むしろ静かに衰退に向かっていくと考えられる日本において、我が子をどのように育てればよいのかということです。
月並みですが、やはり教育しかないのだろうと考えます。
ここでいう教育とは、単に勉強ができることだけではなく(それも重要ですが)、心の強さ、最近流行りの言葉でいうと「Grit」(やり抜く力)を育てることだと思います。
教育によって、子供が選択可能なオプションをできるだけ用意してあげること、そして選択した道で粘り強く努力できる資質を身に着けさせることが、先の見えない日本を生き抜くために、親としてやってあげられることなのではと考えています。
なお、番組はNHKのオンデマンド放送で見ることが出来ます。
多くの人に観ていただきたい内容です。
今日はこんなところで。
それではまた。
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■Editor’s Note
今日は終日オフ。
部屋掃除、洗濯などしてのんびり過ごしました。
■Today’s article
Grit: The power of passion and perseverance
本文で紹介した「Grit」に関する講演。TED2013。
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