巷で話題の『紳竜の研究』は生きるマーケティングの教科書だ。

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ネットで話題沸騰の『紳竜の研究』を観ました。

生きるマーケティングの教科書として、全力でおすすめです。 

DVD『紳竜の研究』

島田紳助の説明は不要でしょう。

80年代の漫才ブームを牽引し、その後タレント、司会者として数多くのレギュラー番組で活躍。

一時期はテレビでその姿を観ない日はありませんでした。

しかし、暴力団との関係を指摘され2011年に引退。

現在はハワイに移住して、静かな生活を送っているようです。

 

今回紹介するのは、2007年に紳助がNSC(吉本総合芸能学院)で行った特別講義。

これが今、ネット上で話題になっています。

「一発屋」にはこれが足りん!紳助が残したメッセージ。(全文書き起こし) - NAVE...
アンチも多かった島田紳助だが、その一方で深い笑いの流儀も持っていた。そんな島田紳助が残したアツイ戦略とは。漫才だけでなく、仕事一般にも活かせる考え方も満載。 ...

 

DVDを入手し、早速見てみました。

特別講義のなかから、特に印象に残った部分を紹介します。

特別講義の内容

収録されている講義の内容は以下のとおり。

  1. 才能と努力
  2. 笑いの教科書
  3. 相方と戦略
  4. XとYの分析
  5. 漫才
  6. 運と計算
  7. 心で記憶する
  8. TVのヒミツ
  9. 感じる心
  10. やるということ
  11. M-1の戦い方
  12. ネタと演者
  13. 競争

講義では90分にわたってNSCの後輩芸人を対象に、漫才の組立て方、世に出る(売れる)ための戦略について語っていますが、その多くは芸人だけでなく、僕たちのようなビジネスパーソンにも役立つものです。

 

XとYの分析

特に秀逸なのが、「XとYの分析」です。

以下、講義の抜粋です。

自分が面白いって思うもん(引用者注:漫才)があって、面白いと思う中でもふたつあるよな?
「面白いけど、でけへんよ」というのと、「これ、俺と一緒やん」って。
「これ、俺と一緒やん」って思ったオチのパターン、しゃべりのパターンが、一番自分に近いのよ。
(中略)
一人のタレント・・・漫才師だけとちがって。それで、それをいくつか探す。
そして・・・それが自分のできることよ。でけへんことはあかんのやで。人見て、おもろいな思いながら、あんなん出来へんなと思うたら、あかんのや。
これ出来ると。俺とおんなじや。俺が友だち笑わしてるときのパターンや。俺が笑わしてるときの普段のしゃべりの、これやねんって、自分に近い形のやつを見つけるのよ。オチのパターンを。

まずはX、自分達の笑いのスタイル、個性を見つけることが重要と説きます。

世の中で受けているお笑いの中から、自分たちでも出来るもの、自分たちのスタイルに近いものをいくつも見つけてくる。

それをもとに、自分たちの笑いのスタイルを作り上げるということです。

 

それで、もういっこ勉強や。
今から・・・俺らがやってた、三十年ぐらい前の漫才ブームがあった。あの頃からやったら全然残っているわけ。もっと前にもあるわ。四十年前でもレコードとか残ってるやんか。
その時に売れてた人、ずーっと今、何十年か四十年か、ずーっと漫才師、誰か売れてるんやから、それをずーっと全部、聞け。
全部、聞くだけ違って、どう変わってきたんか?何が違うんやと、おんなじなんか?それを徹底的に調べんのよ。

自分たちの笑いのスタイルを見つけたら、次は、過去から現在までの笑いの分析、つまりはトレンドの分析です。

これがYにあたります。

漫才ブームから現在に至るまで、笑いはどのように変化してきたのか、その時代時代でなにが受けていたのか。

笑いの変遷を分析することは、今後受けるであろう笑いのスタイルを予測することにつながります。

 

そして、X(自分たちの笑いのスタイル)とY(世の中の笑いの流れ)を把握した上ではじめて、どのような笑いを作っていくかを考えるべきだといいます。

だから、このXとYがわかったら、そこで初めて悩むんよ。俺は何しよって?どうしたらええのやろって。どうしたら売れんのやろって。どんな笑いをつくろうって、初めて考えなあかんのよ。

 

それにもかかわらず、XとYを分かっていない芸人がほとんどだといいます。

その典型はいわゆる「一発屋」。

XとYをわからないまま、たまたま売れることもあるとしたうえで、以下のように続けます。

なんで一発で終わるの?売れた奴が。
なぜ売れたか分からないし、たまたまや。たまたま前からやってきたんや、おんなじこと。たまたま時代が変化したんや。
だから、一発屋のほうがインパクトあんのよ。
さっきも言うたように、Yというものは動くでしょ?世の中は。笑いの変化やから。
おんなじことやって来たやつは、ここで(Yと)バッチャーンって当たってまうんよ。出会い頭で会うた事故やから、キツイわけや。キツイから、インパクトあるから、ボーンと売れる。でも、必ずニ、三年したらズレるよな?これはもう自分で修正、効かへんのよ。

自分たちの笑いのスタイルが、たまたま世の中の笑いの流れとうまく合致することがある。

すると、ドカーンと売れる。

しかし、笑いの変化(Y)を理解していないから、世の中が変化するとついていけず、やがて没落してしまう。

一発屋が一発屋で終わってしまう所以は、Yを理解していないからというわけです。

逆にいうと、長く第一線で活躍しているお笑い芸人は、絶えず変化する笑いの流れ(Y)をきちんと分析し、それに適合するよう笑いのスタイル(X)を常に調整しているのです。

 

ビジネスも同じ

ここまでお読みになって、紳助が語っていることは、マーケティングの考え方と瓜二つだということにお気づきだと思います。

XとYの公式とは、「顧客ニーズ(Y)と自社の強み(X)のマッチング」というビジネスの基本原則そのものです。

顧客ニーズの変化に合わせて、自分たちの強みとする製品・サービスを常に改良していく姿勢は、マーケットで生き残っていくために必要不可欠なものです。

にもかかわらず、XとYを理解していない(しようとしない)プレイヤーがいかに多いことか。自分も含めて反省しなければなりません。

たまたま当たった製品・サービスが、すぐに飽きられ陳腐化していくというのも、「一発屋」と同じ原理です。

 

紳助はこれらの理論を、本を読んで勉強したわけではないと思います。

※事実、講義の中で、本はほとんど読まないと語っています。

芸能界の熾烈な競争のなか、生き残りを賭けた実践を通して生まれたのが「XとYの公式」です。

それが、マーケティングの基本原理と瓜二つであるという事実は、実践を通して生まれる経験や知恵の重要さを思い知らせてくれます。

 

紳助は芸能界だけでなく、実業の世界でも成功を収めました。

天才マーケターとしての彼の才能は、実業の世界でも通用したということです。

彼の才能には恐れ入りました。

 

今日はこんなところで。
それではまた。

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■Editor’s Note

今日は終日事務所で、年末調整の準備、研修受講など。 

■Today’s article

いよいよ米大統領戦。

Presidential Election: The Day Before the Storm

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。