独立開業の悩みのタネ〜キャッシュフローをどのように安定させるか。

20161111

先日の記事では、「独立のメリット」について取り上げました。

独立開業して良かった3つのこと。
独立開業して2ヶ月。今日のテーマは独立して良かったと思うこと。 時間と場所が自由になる独立していちばん大きな変化は、いつどこで仕事をしても自由なことです...

 

今日は、「独立のデメリット」のひとつである、キャッシュフローの問題を取り上げます。

 

キャッシュフローが安定しない

独立に伴う最大の悩みは、キャッシュフローが安定しないことです。

サラリーマンであれば、毎月一定額の収入がありますが、フリーランスにはそのようなものはありません。

収入は毎月の仕事量に応じて変動します。

 

頭では分かっていることでしたが、実際に経験してみると、これはなかなかの恐怖です。

独立してしばらく、みるみる減っていく預金残高をみるのは精神的にかなり堪えました。

 

では、キャッシュフローを安定させるにはどうすればよいでしょうか?

対策としては以下のような事が考えられます。

 

リカーリングとスポットの比率を考える

リカーリング(recurring)収入とは定期的に一定額が入ってくる収入のこと、スポット(spot)収入とは単発で入ってくる収入のことです。

会計事務所でいえば、前者は毎月の顧問報酬、後者は株価評価やデューデリ、相続税申告に係る報酬が該当します。

会計事務所の予算を考える場合、リカーリングとスポットの比率をどうするかを考える必要があります。

経営学でいうセールスミックスの議論です。

 

両者には、一般的に以下のような傾向があります。

  • リカーリング: 収入は安定しているが、単価は低め
  • スポット: 収入は不安定だが、単価は高め

これは、顧客の立場から考えれば分かります。

一般に顧客は、毎月経常的に生じる費用は低く抑えようとするのに対し、単発的に生じる費用の多寡はさほど気にしません。

 

リカーリングの比率を高めればキャッシュフローは安定しますが、仕事量に比して高い収入は見込めません(単価が低いから)。

一方で、スポットの比率を高めれば売上は伸びますが(単価が高いから)、キャッシュフローは安定しません。

これら性質の異なる2つの収入をどのような比率で組み合わせるかが、セールスミックスの議論です。

 

いろいろな考え方があると思いますが、僕は以下のように考えています。

リカーリング(顧問報酬)で家計の固定費をまかない、スポットでプラスアルファを狙うというものです。

いちばん自然な考え方で、多くの方にも納得感のある考え方だと思います。

 

将来的に上記の状態に持っていけるように、予算を設定しているところです。

 

生活防衛資金を用意する

セールスミックスは以上のように考えるとして、これは独立直後に達成できるものではありません。

独立して半年から1年は仕事の絶対量が少ないですから、セールスミックス云々の話は二の次で、まずは食べていく必要があります。

 

顧客ゼロから始めるのであれば、顧客が獲得できるまでの当座の生活資金(生活防衛資金)を確保しておく必要があるでしょう。

生活防衛資金については、以下の記事でも触れました。

体調を崩して考える。ひとり仕事のリスク管理。
風邪を引いてしまいました・・・ひとり仕事を続ける上で重要な健康管理とリスク管理を考えます。 季節の変わり目に風邪をひく昨日の午後から、どうも身体がだるく...

 

毎月の生活費の数カ月分を、「生活防衛資金」として(事業資金とは別に)準備しておくことで、独立直後の時期の資金不安を緩和できます。

何ヶ月分を準備するかは、その人の境遇によって異なります。

独身の方であれば半年分くらいで足りるかもしれませんし、扶養家族がいれば1年分〜2年分をみたほうが良い場合もあるでしょう。

ちなみに僕の場合は、生活費の1年分を準備しました。

 

「独立を考えているけどそんなに手元資金がないよ」という場合、創業融資の利用も選択肢のひとつです。

新創業融資制度|日本政策金融公庫
日本政策金融公庫(略称:「日本公庫」)の融資のご案内をご紹介いたします。

 

公認会計士であれば監査法人の非常勤勤務も選択肢のひとつ

最後に、独立希望の公認会計士に向けた情報として、監査法人での非常勤勤務のお話です。

 

公認会計士が独立する場合、監査法人で非常勤として働きながら、自分の事務所を立ち上げるパターンは多いです。

独立したら自分の事務所に集中すべきだという主張もありますが、独り身ならともかく、守るべき家族がいる場合、そうも言ってられないでしょう。

また、独立直後はそんなに仕事もないでしょうから、空いた時間を非常勤勤務に振り向けるのは、機会費用を考えても悪くないと思います。

 

幸い、このところ監査業界は人手不足なので、非常勤に対する求人は引く手あまたです。 

その人のキャリアやインチャージ(主査)をやるかなどで単価は異なりますが、時給にして6,000円〜7,000円程度のことが多いようです。

独立当初の収入減を補う上では、魅力的な選択肢のひとつだと思います。

 

ただし、独立した以上は、非常勤に甘えることなく、事務所の仕事に最優先で取り組む姿勢は必要です。

非常勤に安住して、自分の事務所を蔑ろにしては本末転倒です。

 

以上、独立に伴うデメリットのひとつ、キャッシュフローについて考えました。

独立を考えている方の参考になれば幸いです。

 

今日はこんなところで。
それではまた。

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■Editor’s Note

昨日は、登録時研修の最終日。
これで3日間の研修は終了です。 

■Today’s article

 Trump and Obama Hold Cordial 90-Minute Meeting in Oval Office

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。