「平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要」のポイント

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毎年国税庁から公表されている税務調査実績。

平成27事務年度の集計結果が公表されました。

平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要

今回は、公表内容の要点をご紹介します。

なお、「平成27事務年度」とは、平成27年7月から平成28年6月を指します。

 

主な取り組み

平成27事務年度の主な取り組みとして、以下の3点を挙げています。

  1. 消費税還付申告法人に対する取り組み
    不正還付が認められる法人に対して厳正な調査の実施 
     
  2. 無申告法人に対する取り組み
    稼働無申告法人に対する重点的な調査の実施 
     
  3. 海外取引法人に対する取り組み
    租税条約等に基づく情報酷完成度の積極的利用 

特に消費税還付に対する調査厳格化の結果、後で見るように、還付申告法人からの追徴税額が倍増しています。

 

調査件数

調査件数は以下のとおり。

  • 法人税 H26:95千件 → H27:94千件
  • 消費税 H26:91千件 → H27:90千件
  • 源泉所得税 H26:117千件 → H27:113千件

ほぼ横ばいと言っていいでしょう。

 

平成27事務年度の申告法人数が約280万社ですので、実地調査割合は約3.3%です。

100社あっても調査対象になるのは年間わずか3件程度、とかなり低い水準です。

国税側は、今後ますます実地調査割合を引き上げる方策を打ち出してくるでしょう。

 

追徴税額

過去3年間の追徴税額(法人税)の推移をみると、以下のとおり。

(単位:億円)
H25:1,591 → H26:1,707 → H27:1,592

おおむね1600億円〜1700億円の幅で推移しています。

 

調査1件あたりの数字に直すと、

(単位:千円)
H25:1,754 → H26:1,795 → H27:1,702

170万円前後です。

この数字には、重加算税も含まれていますので、仮装・隠蔽のない真っ当な納税者の場合、もう少し金額は下がると思いますが、それにしても中小企業にとっては大きな金額です。

 

消費税還付申告法人に対する調査

冒頭で紹介したとおり、消費税還付を利用した不正が跡を絶たないことから、消費税還付申告法人に対して厳正な調査を行っています。

その結果、追徴税額は以下のとおり倍増しています。

(単位:億円)
H25:72億円 → H26:77億円 → H27:152億円

 

「不正計算に係る追徴税額」(重加算税の対象)に至っては、H26:11億円からH27:30億円と約3倍に増えています。

 

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(出所) 平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要

 

追徴税額の増加には、消費税率の引上げ(5%→8%)の影響もありますが、26年度以降の重点的な取り組みが成果を上げてきているということが言えるでしょう。

 

不正発見割合の高い業種(法人税)

不正が発見される割合が高い業種として、以下の10業種が挙げられています。

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(出所) 平成27事務年度 法人税等の調査事績の概要

 

上位3つはいずれも現金商売の業種。売上除外など利益操作しやすい業種です。

ここにあがっている業種については、今後も税務調査が来る可能性が高いと言っていいでしょう。

 

おわりに

以上、法人税等の調査事績について見てきました。

 

今後も、冒頭で紹介した3つの取組みは継続すると思われます。

特に、消費税還付については厳しい調査が続くと考えられますので、留意が必要です。

 

また、不正発見割合の高い10業種については、重点的な調査が行われると予想されます。

自社がこれら10業種に属する場合には、税務調査に備えた慎重な経理処理が必要でしょう。

 

今日はこんなところで。
それではまた。

 

あとがき

■Editor’s Note

昨日はホームページ改訂作業と研修を受講。
今日は税理士会支部に顔を出した後、都内ホテルで某パーティーに参加します。 

■Today’s article

Halilhodzic sends warning to frozen-out stars after Japan’s win over Saudis


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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。