今年読んだ本の中からベスト3を紹介します!〜【その2】加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

IMG 20161225 134340

※ららぽーと豊洲にて

 

今年読んだ本から私的ベスト3のご紹介。

今回は2010年の小林秀雄賞受賞作、加藤陽子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』です。

きっかけ

学生時代から歴史科目が苦手だった私。

子供の頃から記憶力が悪く、暗記科目の日本史や世界史が大嫌いでした。

年号や歴史上の人物、事件を覚えられないため、大学受験は地歴を避けて数学受験。

そのため、歴史の知識といえば、中学レベル?でストップしている始末です。

 

これでは社会人として恥ずかしいよなぁと思っていたところ、息子が歴史に興味を持ち始め、折にふれて色々と聞いてきます。

「桓武天皇って何した人?」

「明治維新って何?」

「日本はなんで戦争に負けたの?」

そんな質問にまともに答えられない私・・・

いつかちゃんと歴史を勉強したいなと思っていました。

 

本書との出会い

そんな折、日経新聞の書評「半歩遅れの読書術」で目にしたのが本書でした。

紹介されていたのは敬愛する福岡伸一先生。

近現代史の講義 生徒とタイムスリップ
 今回も、「専門家が、優秀な学生・生徒を前にして行った講義録を読む」という読書を提案したい。 今日取り上げるのは、近現代史の専門家・加藤陽子が神奈川県の進学...

 

福岡先生といえばベストセラー『生物と無生物の間』の著者として有名な分子生物学者。

専門である生物学の啓蒙書を数多く出版されていますが、僕が好きなのはオランダを代表する画家フェルメールをとりあげたこちらの本。

ANA機内誌での連載をまとめたものですが、福岡先生のフェルメール愛が静謐な文体で綴られていて、読んでいて心が洗われるんですよね。オススメです。

 

話を戻しますと、その福岡先生が書評で「名著」と絶賛しているわけですから、読まない訳にはいきません。

日本近現代史を学ぶ取っ掛かりとして、本書を手に取りました。

 

本書の内容

本書は、神奈川県の進学校である栄光学園の生徒たちを対象とした連続講義がもとになっています。

目次は以下のとおり。

序章 日本近現代史を考える

1章 日清戦争 「侵略・非侵略」では見えてこないもの

2章 日露戦争 朝鮮か満州か、それが問題

3章 第一次世界大戦 日本が抱いた主観的な挫折

4章 満州事変と日中戦争 日本切腹、中国介錯論

5章 太平洋戦争 戦死者の死に場所を教えられなかった国

 

上記のとおり、扱っているのは日清戦争から太平洋戦争までの50年間にわたる日本の近現代史です。

講義は、栄光学園の学生との質疑応答を軸に進んでいきます。

 

本書の面白いところは、単に史実を並べるだけではなく、生徒(あるいは読者)に対して次々と問いを立てながら考えさせることです。

「朝鮮を支援していた福沢が、なぜこのとき「脱亜論」を書いて発表しなければならなかったのでしょうか」

「民権派はなぜ日清戦争に反対しなかったのでしょうか」

このような質問に対し頭をめぐらしながら読み進めると、史料や統計をもとに意外な答えが明かされる。まるで良質なミステリーを読んでいるような知的スリルを味わえる本です。

 

たとえば、「アメリカはなぜ泥沼化したベトナム戦争を止められなかったのか」という問題。

加藤先生は、米国がベトナム戦争に深入りした原因として、歴史家E.メイが指摘する「歴史の誤用」(過去の歴史から誤った教訓を引き出してしまうこと)があったとし、「どのような歴史の教訓がアメリカを縛ったのか?」と問います。

学生からは、「赤狩りとかがあって、共産主義に対する恐怖心が植えつけられて強硬にならざるを得なかった」などの鋭い回答が出ますが、加藤先生の回答は『アメリカにとっての「中国喪失」の体験』という意外なものです。

第二次大戦においては、中国国民政府は英米とともに日本と戦い勝利した国家だったのですが、その後の中国共産党との内戦に米国が介入しなかったために、共産化してしまった。米国は巨大な市場を失ってしまったわけです。

この中国喪失の体験により、アメリカ人の中に非常に大きなトラウマが生まれました。戦争の最後の部分で、内戦がその国を支配しそうになったとき、あくまで介入して、自らの望む体制を作り上げなければならない、このような教訓が導き出されました。

この「歴史の誤用」が、ベトナム戦争に深入りすることとなった主因であるというのが加藤先生の見立てです。

 

近現代史上の史実とそれを引き起こした要因について、意外な見方を示してくれる本です。

年末年始の一冊にオススメです。

 

今日はこんなところで。
それではまた。

 

あとがき

■Editor’s Note

今日は ららぽーと豊洲でランチ&お買い物。 

■Today’s article

 今日はお休みします。


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

中小零細企業のみなさまに、決算・申告、資金調達、資金繰り改善など豊富なサービスをご提供いたします。

 

 【業務メニュー】













無料冊子プレゼント

中小企業の経営者ならぜひ知っておきたい税務のポイントをまとめた無料冊子(PDF)を、下記からダウンロードできます。

会社経営にまつわる税務の基本をまとめた240頁超の冊子です。

いまなら、さらなる特典もついています。

ぜひダウンロードのうえ、ご活用下さい!


ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。