わかりやすい文章を書くコツ〜小田順子編著『士業のための文章術』

20170117

仕事柄、頻繁に文章を書きますが、一般の方に伝わる、読みやすい文章を書くことを心がけています。

そのためのコツをまとめてみます。

 

士業のための文章術

ブログを始めるにあたって、参考にしたのがこちらの本。

文章改善コンサルタントとして活躍されている小田順子 さんが、ぼくたち「士業」が書く文章をわかりやすくするためのポイントをまとめたものです。

税理士や会計士、弁護士といった専門職は、内容の正確性、厳密性を重視するので、文章がどうしても硬く、複雑なものになってしまいがちです。

専門知識をもつ玄人を対象とした文章であればそれで構わないのですが、ブログやHPでの情報発信の対象である一般ユーザー(素人)に対しては、伝わりづらいものになってしまいます。

 

専門知識を持たない一般の方に伝わる文章を書くにはそうすればよいか。そのためのTipsがまとめられています。

 

分かりやすい文章のコツ

本書からいくつかのコツを紹介します。

漢字を少なくする。

漢字は読めなかったり、意味が分からなかったりして読み手の理解を妨げる恐れがあります。

また、漢字が多いと見た目にも難しそうな印象を与えます。

したがって、漢字はなるべく減らしたほうが良いとのこと。

本書では、文章全体のうち、漢字の使用率を3割〜5割とすることを推奨しています。

 

以下のサイトで、ぼくのブログ、HPの記事の漢字使用率を測ってみました。

漢字使用率チェッカー

 

まずは、こちらのブログ記事。

独立とは責任と引き換えに、「選択の自由」と「納得感」、「成長の機会」を手にす...
愛読している渋谷隆一さんのメルマガに、先日こんな言葉が出てきました。独立とは責任と引き換えに、人生における「選択の自由」と「納得感」を得ること僕の実感をとて...

 

漢字使用率を測ってみると29%。漢字の使用はやや少なめです。

記事を抜粋するとこんな感じ。

独立すれば、いうまでもなく自由です。

・どんな仕事をするか、どんな仕事をしないか
・いつ、どこで仕事するか
・誰と仕事をするか、誰を避けるか
こういったことはすべて自分で決められます。

もちろん、置かれた境遇によっては、やりたくない仕事をせざるを得ない場合もあるでしょう。
しかし、その選択も含めて、自分で決める自由があるとは言えます。 

 

確かに、文章全体から優しい印象を受けます。とっつきづらい印象はありません。

 

続いて、昨日、事務所HPで配信したこちらの記事。

法人税の申告期限を延長するには?手続きと注意点をまとめました。 | 藤村総合会計...
会社は年度末に決算をまとめた後、確定申告を行い法人税の申告・納付を行う必要があります。 法人税には申告書の提出期限である「申告期限」と、税金を納付する「納期限...

 

こちらの漢字使用率は47%。ギリギリ許容範囲の水準でした。 

1つめは株主総会の招集時期の定款規定についてです。

定款に「当社の定時株主総会は、毎事業年度の終了後3カ月以内に招集する」などの文章があれば、申告期限の延長を申請できます。

ポイントは、定時株主総会の招集時期が「2カ月以内」ではなく「3カ月以内」である点です。

法人税の申告期限は事業年度終了後2カ月以内と定められていますが、株主総会の招集は事業年度終了後3カ月以内に行えば良いという決まりになっています。

上のブログ記事と比べると、受ける印象がずいぶん違います。

全体的に硬く、「難しそう」「とっつきにくい」という印象があります。

 

漢字の使用を減らすため、本書では以下のような工夫が紹介されています。

  • 常用外の漢字を使わない
    宜しく→よろしく/相槌→あいづち/生憎→あいにく
  • 常用漢字であっても難しい漢字は使わない
    建蔽率→建ぺい率/遡及→さかのぼる/挨拶→あいさつ
  • 接続詞や副詞
    及び→および/又は→または/即ち→すなわち 

専門記事を書く場合、どうしても漢字の比率が高くなってしまうのですが、文章から受ける印象のせいで、せっかく見に来てくださったユーザーの方が離れていってしまうのでは意味がありません。

漢字の使い方にもっと配慮が必要だと反省しました。

 

一文を短くする。

一文が短ければ、必然的にシンプルな構造となり、読者にとって読みやすい文になります。

一文は30字〜40字程度を目安とすると良いとのこと。

 

本書で紹介されていたのは、以下の例。

法人が負担する社会保険料の額については、当該保険料の額の計算の対象となった月の末日の属する事業年度において損金の額に算入することができることとされていますが(法人税基本通達9-3-2)、これは、法人が負担する社会保険料は、被保険者が月末において在職している場合には、同者に係る保険料を翌月末日までに納付することとなり、被保険者が月の中途で退職した場合には、同者の退職月に係る保険料は納付する義務はない(健康保険法第156条第3項、厚生年金保険法第81条及び第19条第1項)ことによるものです。 

出所:国税庁質疑応答事例「社会保険料の損金算入時期について」 

 一文が246字。読み終わったときには、最初の方で何を言っていたのか頭から抜けてしまい、何度か読み返さないと主旨を理解できません。

本書では読みやすくする工夫として、下記の3つがあげられています。

  • 短く分割する
  • 引用文、折込語句は「注」にする
  • 不必要な語句は削る

そうして出来上がった改善例はこちら。

法人が負担する社会保険料の額は、対象月の末日の属する事業年度に、損金の額に算入できます(※1)。
これは、以下の理由によるものです(※2)。

  1. 被保険者が月末に在籍している場合
    保険料を翌月末日までに納付する
  2. 被保険者が月の中途で退職した場合
    退職月の保険料を納付する義務はない 

※1 法人税基本通達9−3−2
※2 健康保険法第156条第3項、厚生年金保険法第81条及び第19条第1項

一文を短くしたことで読みやすく、また箇条書きにしたことで文の構造が分かりやすくなりました。

こちらだと、言いたいことがスッと頭に入ります。

 

見出しを工夫する

長い文章を頭からすべて読んでくれる人はまれです。

読者の多くは、まえがきや見出しを拾い読みして、関心があれば続きを読みます。

そのためにも、見出しは必ずつけましょう。

 

見出しの付け方にも工夫が必要です。

読者は見出しを見て、その後の文章に何が書かれているかを予測します。

そのため、見出しは本文の要約になっていることが理想です。

 

■法定実効税率の引き下げについて

という見出しよりは、

■法定実効税率を32%から30%へ引き下げ

という見出しのほうが、読者の関心を引きますし、本文の内容を予測することが出来るのでベターだということです。

 

おわりに

以上、わかりやすい文章を書くためのコツについて、小田順子さんの著書をもとに紹介しました。

こちらの本には、ほかにも

  • 分かりやすいメールを書くためのコツ
  • 問い合わせがアップするWeb文書の書き方

など、ぼくたち士業に役立つ内容が満載です。

ご感心を持った方はぜひご一読を。

今日はこんなところで。

それではまた。

 

あとがき

■Editor’s Note

昨日は、終日、事務所作業。ブログ、HP更新後は東京税理士会のオンデマンド研修を受講。 

■Today’s article

 Looking at an Artist’sPortraits of the CharlestonShooting Victims


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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。