正社員の副業促進のニュースを聞いて。

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※会津郷土食・鶴我の馬刺し。

 

ようやくか・・・、というのが感想です。

 

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「働き方改革」で副業促進へ

政府は、「働き方改革」の一環として、企業の副業・兼業を促進するとの報道がありました。

正社員の副業、「原則禁止」から「容認」へ 政府指針
 政府は「働き方改革」として正社員の副業や兼業を後押しする。企業が就業規則を定める際に参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内...

政府は「働き方改革」として正社員の副業や兼業を後押しする。企業が就業規則を定める際に参考にする厚生労働省の「モデル就業規則」から副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし「原則禁止」から「原則容認」に転換する。複数の企業に勤める場合の社会保険料や残業代などの指針もつくる。働く人の収入を増やし、新たな技能の習得も促す。 

 中小企業庁の2014年度の調査では、国内1200社のうち兼業や副業を認めている企業はわずか14.7%で、大半が就業規則で禁じています。

一方、IT関連企業などでは副業を解禁する動きもあり、サイボウズは「会社の資産を毀損しない限り報告も不要」 と、柔軟な働き方を容認しています。

経済成長がなかなか望めず、本業からの収入が伸び悩むなか、兼業・副業により副次的な収入をもちたいというニーズは高まっています。

 

そういうなか、政府が副業を後押しする方針をとったのは、とても良いことだと思っています。

 

会社が副業を禁止する理由

そもそも、企業が従業員の副業を禁ずるのはなぜでしょうか。

よく言われているのは、以下のような理由です。

  1. 本業がおろそかになる
  2. 機密情報の漏洩リスク
  3. 本業と競業する可能性

以下、個別に見ていきましょう。

 

本業がおろそかになる

就業時間外に副業に精を出されると、本業に集中できなくという理由です。

副業を持つことによる体力的・精神的負担を問題とするものです。

 

一見もっともな理由に思えますが、精神的・体力的な負担をいうならば、副業だけを問題視するのは中途半端というべきです。

体力の消耗が問題というのであれば、就業後に飲み会や合コン(笑)に行くのも禁じなければなりません。スポーツジムに行くのだってダメですよね。

精神的負担をいうのであれば、帰宅後にデイトレードなんてもってのほかです。

 

しかし、就業後の飲み会や合コンを禁じる企業はありませんし、そんなことをすれば人権侵害だといって非難轟々でしょう。

そもそも体調管理は自己管理の範疇の話であり、雇い主が口を挟む問題ではないはずです。体調管理に失敗して仕事のパフォーマンスが落ちたのであれば、それに応じて人事考課すれば良いだけの話です。

本業がおろそかになるというのは、副業を禁ずる理由としては根拠薄弱です。

 

機密情報の漏洩リスク

これもよく言われる副業を禁止する理由ですが、よく考えると根拠薄弱です。

 

機密情報を漏洩するリスクは、副業に限らずあちこちにあります。

飲み会の席で他社の社員にインサイダー情報を漏らしてしまったり、TwitterやFacebookにうっかり機密情報を書き込んでしまったなどという事例は、枚挙に暇がありません。

副業だけをリスク要因として取り上げて制限するというのはバランスを欠きますし、機密情報漏洩という観点から本当に実効性があるのか疑問です。

 

多くの場合、情報漏洩は就業規則で禁じられているでしょう。であれば、その範疇で対応すれば良いだけの話であり、これを理由に副業を禁止するというのは行き過ぎでしょう。

 

本業と競業する可能性

これは、会社で得たノウハウを利用して会社と競合する事業を行い、会社に損失を与える可能性です。

たしかに問題ですし、このような行為は禁じるべきでしょう。

 

しかし、本業との競業を問題視するのであれば、競合事業を副業とすることを禁ずるだけで足りるわけで、副業じたいを全面禁止する理由にはなりません。

副業の内容を申請させ、会社の事業と競合するかどうかチェックするという運用もあるでしょう。

本業との競合を理由に副業を全面禁止するというのは、合理性が疑わしいです。

 

本当の理由は?

以上、よくいわれる副業禁止の3つの理由を見てきました。

どれも合理性が薄弱で、牽強付会の域を出ないものです。

 

そもそも「職業選択の自由」は、憲法によって国民に与えられた権利です。

したがって、これを制限するにはよほどののっぴきならない理由が必要なはずであり、上で見てきたような理由は副業を制限するに足るだけの合理性を有していません。
※たとえば公務員のように公益に関わる仕事に従事している場合には、副業を禁止される場合もあるでしょう。

 

では、会社が副業を禁止する本当の理由は何でしょうか。

それは、従業員を会社に「隷属」させたいという意志の現れだと思います。

 

高度成長から成熟社会へ〜時代は変わった

おそらく高度成長期は、それでも問題は生じなかったのでしょう。

  • 会社は従業員に終身雇用を保障し、勤続年数に応じて昇給の機会を与える。
  • 従業員はそれと引き換えに、自分(と自分の家族)の人生を会社に預ける。
  • 従業員は会社に滅私奉公を誓う代わりに、会社は従業員に生活の安定を保証する。

両者の利害が合致することから、副業がどうこうなどということは問題にもならなかったのでしょう。

 

しかし、時代は変わりました。

成熟社会に移行し、かつてのような高度成長は到底見込めない時代です。

終身雇用制もとうの昔に瓦解し、会社が従業員の人生を丸抱えするという構図も、とても無理な時代になっています。

将来の見通しが不透明な時代にあって、副業により収入の複線化を図りたいという従業員の要求はもっともでしょう。

 

そもそも、誰も好き好んで副業などしません。わざわざ就業後の余暇の時間を割いて副業をするには、それなりの理由があります。

その理由のもっとも大きいものは、家計の足しにしたいということでしょう。要するに本業の給与だけでは生活に不安があるということです。

会社がこのような従業員の要求を拒否するのであれば、かわりに彼らの不安を取り除くに足る十分な報酬を支払わなければなりません。それができないのであれば、従業員の要求(副業解禁)の呑むのが筋でしょう。

今回の政府方針をきっかけに、副業を含む柔軟な働き方が広がることを期待しています。

 

以上、昨今のニュースをもとに、副業のあり方について考えてみました。

 

今日はこんなところで。
それではまた。

 

あとがき

■Editor’s Note

昨日まで福島県は郡山へ出張でした。
出張先では、美味しい会津料理に舌鼓。 

■Today’s article

Shinzo Abe and wife under pressure over ties to ultra-nationalist school

■Official Web Site

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。