弁護士の着手金はいつ費用になるか?

先日、お客様から弁護士に支払う着手金について質問を受けました。

そこで、今回は株価評価の解説を1回お休みして、着手金にまつわる会計・税務の取扱いについて解説します。

弁護士に支払う着手金ってなんなの?

弁護士に支払う費用は、一般に着手金と成功報酬に分かれています。

成功報酬は訴訟が終了した段階で、その結果に応じて金額と支払義務が発生しますが、着手金は、弁護士に事案解決を依頼する際に発生する費用で、仮に訴訟が敗訴に終わったとしても返還されることはありません。

また、着手金はいわゆる前払金や手付金のように、成功報酬の内金としての性質をもつものではありません。

※弁護士費用に関する日弁連の解説はこちら

着手金はいつ費用になるの?

着手金は訴訟の成否に関係なく支払われ、しかも最終的に敗訴に終わったとしても、返還を受けることはできません。

したがって、着手金を支払った時点で債務が確定していると考えられるため、支払った事業年度の費用として計上(損金に算入)することになります。

※この点に関する裁決事例はこちら

じつは、当初相談をいただいたとき、着手金は内金のようなものと思っていたため、裁判が終結するときまで仮払金処理と考えていました。

しかし、内金と異なり成功報酬と相殺されるものではなく、また返還をうけることもできないので、支出時点で費用処理するのが正しい処理ですね。

着手金の消費税はどうなる?

着手金に係る仕入税額控除をどの事業年度で受けることができるかが問題になります。

消費税法上、仕入税額控除の対象となる課税仕入れがいつ行われたものであるかは、資産の譲受けや役務の提供を受けた日で判断します。

弁護活動は、役務の提供に該当するため、役務の提供を受けた日とは、訴訟が終結した日とも考えられます。
そうすると着手金についても、訴訟が終結した事業年度の課税仕入れになると考えることもできます。

しかし、課税仕入れを行った日は、個別の取扱いがない限り、資産の譲渡等の取扱いに準ずるとされ、所得税、法人税における資産の取得時期、又は費用等の計上時期と同一となるのが原則です。

この点、上記のとおり着手金の費用計上時期はその支払い時になりますので、消費税についても、着手金支払った事業年度の課税仕入れとするのが正しい処理になります。

 

今日はこんなところで。

(それではまた。)


東京・世田谷区の藤村総合会計事務所

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。