税務行政のスマート化〜AI、Ask Jasmine、電子納税など

20170626

国税庁から「税務行政の将来像〜スマート化を目指して〜」が公表されました。

 

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『税務行政の将来像〜スマート化を目指して〜』の内容

6月23日付で公表されたこの報告書

【目次】

1 納税者の利便性の向上(スムーズ・スピーディ)

 ⑴ カスタマイズ型の情報配信

 ⑵ 税務相談の自動化

 ⑶ 申告・納付のデジタル化の推進

2 課税・徴収の効率化・高度化(インテリジェント)

 ⑴ 申告内容の自動チェック

 ⑵ 軽微な誤りのオフサイト処理

 ⑶ 調査・徴収でのAI活用

 

税務相談にAIを活用するなど、注目すべき内容が盛り込まれています。

税の悩み相談にAI活用 国税庁が将来像公表
 国税庁は23日、人工知能(AI)の導入など、10年後の税務行政の姿を描いた資料を公表した。AIを税務相談のほか、調査の必要度が高い企業や個人などの判定に活用す...

 

以下、本報告書の内容から目に付いた点を紹介します。

 

税務相談の自動化

(将来像)
○ 納税者の利便性向上の観点から、メールやチャットなどを活用して、税務当局と納税者等との相談チャネルの多様化を図っていくことが望ましいと考えています。

○ また、相談内容をAIが分析することにより、システムが自動的に最適な回答を行うようになると考えられます。さらに、納税者からの評価を同時に受けることで、税務相談への回答内容がより適切なものになるとともに、相談時間の短縮につながるものと考えられます。

出所:報告書7頁

  • メールやチャットなど相談チャネルの多様化
  • AI(人工知能)を活用した自動応答システム

の2つが謳われています。

 

納税者にとって、税務署へ相談することじたい、物理的・心理的にハードルが高いのが現実です。

この点、相談チャネルの多様化やAIによる自動回答のシステムは、納税者利便におおいに資するでしょう。

 

シンガポールの事例

ちなみに、本レポートでは、海外税務当局の取り組みとして、シンガポールの事例が紹介されています。

AIを活用した質問応答システム(シンガポール)

○ シンガポール税務当局のホームページ上では、納税者の質問に対して自動的に回答がなされるバーチャルアシスタント「Ask Jasmine」の試行版が導入されている。

○ 「Ask Jasmine」はAIの自然言語を理解する機能及び質問と最も関連性の高い情報を検索する機能を活用したシステムで、納税者が入力した質問を理解し、あらかじめ用意されている回答例のデータベースから最適な回答を探し出して提示する。

○ また、利用者が回答に満足したかどうかを確認するためのボタンも設けられており、利用者の反応により当該回答が適切なものであったかをシステムが自ら学習し、回答の精度が向上していく仕組みとなっている 

出所:18頁

 

さすが電子政府の先進国シンガポール。

すでに、AIによる質問応答システムが導入されているんですね。

 

Ask Jasmineを試してみた

ためしに覗いてみました。

 

スクリーンショット 2017 06 26 16 08 55

画面下部の質問欄に入力すると、回答が返ってくるようです。

 

スクリーンショット 2017 06 26 16 11 03

ためしに、「申告書の提出期限はいつ?」と入れてみると、上記のような回答が。

電子申告なら4月18日、紙での申告は4月15日とのこと。

LINE Botみたいな感じですね。

 

質問事項の大半(特に個人の)は、ある程度パターンが決まっているでしょうから、こういったシステムができれば対応できちゃうでしょうね。

 

申告・納付のデジタル化推進

(将来像)

(省略)
○ 国税の納付については、手続をさらに簡単・便利にするため、ダイレクト納付での複数口座登録を可能とすることなどにより、電子納税の一層の推進を図っていきます。また、来署した納税者が自ら専用端末で国税を納付し、領収証書も発行される自動現金領収システムを導入することも望ましいと考えています。

出所:報告書8頁

 

電子納税は道半ば

ダイレクト納付、電子納税は普及していないようです。

参考として平成27年度の実績が掲載されていますが、

スクリーンショット 2017 06 26 16 31 29

いまだに、現金での納付が75%も占めていることにビックリしました。

僕のお客様には、原則電子納税(ネットバンキング)かダイレクト納付をおすすめしているのですが、少数派なんですね。

事前手続が必要な点が敬遠されているのか、そもそも周知されていないせいなのか分かりませんが、銀行窓口で待たされる必要もありませんし、もっと利用されても良いと思うのですが。

 

ちなみに海外事例として紹介されているオーストラリアでは、電子納税(クレジットカード納付など)が96.5%を占めているとのこと。

このあたり、キャッシュレス化がなかなか進まない日本の議論と重なります。

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電子申告は増加傾向

一方、電子申告(e-Tax)は増加しているようです。

H27年度の実績で、法人税申告は75%、所得税申告は52%が電子申告で行われています。

2019年度からは、資本金1億円超の大企業には、電子申告を義務付けるとの報道もあります。

国税の電子申告大企業義務化へ 19年度|佐賀新聞LiVE
■個人含め受付時間拡大  企業や個人がインターネットで納税手続きをする国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用促進に向け、財務省がまとめた一連の施...

 

僕の事務所も、電子申告で提出していますが、申告書は電子で送れても、決算書や勘定内訳書がPDF添付できないというのがなんとも歯痒い。

決算書や内訳書はXML・XBRL等のデータフォーマットでないと、電子申告に対応していないんですよね。

会計ソフトによっては、このデータフォーマットで決算書を出力できるようなのですが、そもそもエクセルで作った場合には対応できません。

結果、これらは別途郵送で送るハメになるという中途半端な状況。

電子申告を推進するなら、ここはなんとかしてもらいたいなぁ。

 

今日はこんなところで。

それではまた。

 

あとがき

■Editor’s Note

この週末は、終日オフ。
昨日は、豊洲のスーパービバホームでガーデニング用品を物色してきました。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。