税理士事務所をマトリックスで分類してみました。

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那須塩原にて。

 

はじめに

税理士事務所のあり方は多様です。

今後自分が進むべき道を確認するために、税理士事務所のポジショニングを、マトリックスで考えてみました。

 

税理士事務所のポジショニング

2016 09 02 0644

縦軸に事務所形態(個人事務所・ひとり税理士か、税理士法人等の組織か)、横軸にメインとする業務の属性をとり、考えてみます。

 

個人−作業請負型(旧来型)

旧来型の税理士事務所です。

記帳代行、年末調整、確定申告といった作業的要素の多い業務をメインに据えています。

事務所の規模は、所長先生ひとりに、職員・アルバイトが2、3名くらい。

古くからの顧客を抱えている場合が多いです。

 

このタイプのメリットは、

  • 常に需要のある業務であるため、比較的仕事がとりやすい
  • 業務を標準化しやすく、職員・アルバイトの業務移譲、欠員補充がしやすい
  • 小規模な組織であるため、所長の目が届きやすく、管理しやすい

という点です。

反面、デメリットとしては、

  • 業務の差別化が難しく、価格競争に陥りやすい
  • 単純作業が多く、職員のモチベーション維持が難しい

という点があります。

特に、価格競争に巻き込まれ、低賃金+低モチベーションとなってしまうと、職員の離職率が高まり、事務所経営に支障をきたす恐れがあります。

このタイプの事務所を運営するには、顧客との間で強固な信頼関係を築き、安易な価格競争に巻き込まれないようにすることが重要です。

 

組織−作業請負型(工場型)

ITの進展とともに、ここ10年ほどで台頭してきた形態です。

これまで個人事務所が扱ってきた記帳代行業務を、大規模に組織化・標準化したうえで、安価に提供するサービスが現れています。

代表的なところではこちら。

メリービズ – レシート・領収書を代わりに入力します!

全国に散らばるアルバイトやパートさんをネットでつなぎ、記帳代行を請け負っています。

料金は、月額2,980円から。

スケールメリットを活かして、既存の会計事務所ではありえないほどの低価格化を実現しています。

 

上記のメリービズは、厳密には会計事務所ではなく、記帳代行だけを請け負う専門業者という立ち位置のようです。

税理士事務所からの業務委託も請け負っているようで、既存の会計業界と敵対するものではないという位置づけのようですが、記帳代行をメイン業務のひとつとしている事務所にとっては、脅威になりうるものです。

 

個人−ソリューション提供型(ブティック型)

記帳代行、年末調整といった定型的・作業的な業務からは距離を置き、経営者のアドバイザー的な立ち位置で顧客に関与する形態です。

手掛ける業務は、経営分析、資金繰り・資金調達のサポート、経営戦略・事業計画の立案など多岐にわたります。

このタイプのメリットとしては、

  • 作業請負型業務よりも高い報酬が見込める
  • 経営者からの評価が得やすい
  • 顧客からの信頼を勝ち得ると、監査役やCFOへの就任など収入の複線化が見込める

 

特に強調したいのが、「経営者からの評価が得やすい」という点です。

記帳代行や申告業務の悲しいところは、「出来て当たり前」な業務であるという点です。

出来て当たり前ですから、完璧だからといって高い評価に繋がることはまずありません。

一方で、ミスがあると即座に解約に繋がるケースもあります。

したがって、決算・申告業務をメインに据える以上は、ミスのない決算・申告書をつくり上げることが至上命題です。

そのうえで、万が一ミスが発生してしまった場合でも、顧客喪失に繋がらないような強固な信頼関係(ミスがあっても許してもらえるような関係) の構築が大切になります。

 

その点でいうと、ここでいうソリューション提供型業務は、経営者への役立ちにストレートに繋がる業務であるため、うまくいった場合、顧客からの高い評価に結びつきます。

その結果、他の案件受注やクライアント紹介につながる可能性があります。

 

もちろんデメリットもあります。

  • 受注が難しい
  • 業務が属人化しやすく、アルバイトやスタッフへの移譲が難しい
  • 多くはスポット業務であるため、収入の見通しが難しい

特に問題となるのはふたつ目です。

経営コンサル的な業務ですから、業務の標準化は不可能です。

個人のスキル、スペックに依存する業務のため、会計事務所の標準的な職員には担当が難しいでしょう。

したがって、この業務を手掛ける以上は、業務が継続する限り、自分が担当するという覚悟が必要です。

 

組織−ソリューション提供型(総合事務所型)

最後は、大規模組織でソリューション提供型の業務を手がけている形態です。

山田&パートナーズや辻本郷などの大規模税理士法人や、監査法人系税理士法人(KPMG、PWCなど)のスモールビジネス担当部署などが該当します。

これらの税理士法人では、持ち前の情報力・組織力で、事業承継や相続対策などを切り口に、富裕層の顧客に対しアプローチをかけています。

彼らの武器は、組織力と高スペックの社員・職員、そして優良な顧客層です。

この領域では、彼らに太刀打ちするのは難しいでしょう。

 

どのポジションを狙うか?

以上、税理士事務所のポジショニングを上記のマトリックスでみてきました。

では、私はどのポジショニングを狙うのかという点ですが、最終的には「ブティック型」を狙っています。

ただし、上述の通り、ブティック型の案件は受注が極めて難しい。いわゆる飛び込みでの受注は見込めず、基本は紹介に頼るしかないのが実情です。

紹介のきっかけを得るためにも、開業後しばらくは「旧来型」業務を愚直に続け、目の前のお客様の信頼を勝ち得るところから始めないといけないと考えています。

 

今日はこんなところで。
それではまた。

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■Editor’s Note

昨日は非常勤で勤務する監査法人で、入所手続きと研修受講。
1日みっちりと研修を受けてきました。 

■Today’s article

今日はお休みします。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都世田谷区で開業している公認会計士・税理士です。大手監査法人、M&Aコンサル、税理士法人を経て2016年9月に独立開業しました。妻と息子の3人暮らし。海外サッカーと囲碁が大好き。英語、数学を勉強中。 ブログでは、税務・会計の話題や仕事術、日々の出来事などを気ままに綴ります。